どんよりと悲しいとき。心臓の奥深くが張り裂けるように痛く切ない瞬間は誰にでもあると思う。
- はじめての恋人との別れ。
- 離婚。
- 返しようのない借金。
- 親の死別。
- 過去にあったいじめ。
- 幼い頃に浴びせられた親の罵倒。
- どこまでもくっついてくる無能な自分。
私たちは小さい時も、思春期も、大人になっても、ずっと悲しい出来事は続く。そしてその悲しみが癒えずにずーっと心の奥底に眠っている。
「僕はひとりぼっちじゃなかったんです。みんなが苦労してるんですね」
『悲しみの力 「悲しみ」と「切なる思い」が私たちを健全な人間にする』 スーザン・ケイン
私も、あなたも。そしてあの人も。悲しみを通り越さずに死ねる人なんていない。
この『悲しみの力』は悲しみを通り抜けるための本でした。面白くて一気読みできるような本じゃなくて、1日に20Pくらいずつ読み進めながら、味わいながら今までの悲しさを振り返り、自分とゆっくり語り合うような本。
この本を読んでいる時、あまりにも自分の悲しみに触れすぎて仕事しながら泣きそうになりました。でも、不思議とそれが嫌じゃなくて、この悲しみを通して神聖で愛おしい何かと繋がれているような、安らぎある悲しみを感じることを許しているような感覚です。
「あなたの喪失が、最も有意義なものに気づき、ひいては人生を価値あるものにする機会になることもあります」
『悲しみの力 「悲しみ」と「切なる思い」が私たちを健全な人間にする』 スーザン・ケイン
悲しみを追体験しながら、大切なものを思い出せる。なかなかこういう本は少ないです。
すごい個人的なことですが、私がこの本を読んで変化した内面を書いていきたいと思います。
みんなが安心して悲しめるような人になりたい。
陽気にふる舞う、職場の人たち。でも、笑顔の裏側にものすごい劣等感を感じてるのかもしれない。癒えない悲しみを引きずって今を生きてるのかもしれない。
世の中は悲しみを怖がってる。
- 「悲しまないで」
- 「悲しい顔を見せて心配かけたくない」
お互いに気を遣って、悲しみを表に出すことができない社会。だから私たちはすべての人が悲しみを抱いて、今日を生きていることに気づけず「自分だけが悲しい思いをしてる」といらない劣等感をもってしまう。
誰も皆、悲しみを抱いている
だけど素敵な明日を願っている
『HANABI』 Mr.Children
それなのに、悲しみを見せるのが怖い。弱い自分を晒したくない。そうやって、人は癒されない傷を抱えて生きてくことになってしまう。
それなら、私は「傷ついた癒し手」になりたい。
私たちの多くが、「傷ついた癒し手」ではないだろうか。
『悲しみの力 「悲しみ」と「切なる思い」が私たちを健全な人間にする』 スーザン・ケイン
安心して悲しくなってもいいんだよ。私もすごいダメな人で、同じように悲しみを背負って生きてるんだよ。だから、大丈夫でよ。
そういう人になりたいなぁと心から思いました。
愛しい悲しみを抱いて、思いやりへと昇華させていきたい。
悲しみは決して悪い感情じゃない。それは愛おしさの裏返しで、大切なものを見つける鍵のようなもの。悲しみが思いやりを育んでくれるとこの本で何度も学びました。
だから、悲しみを感じないように無視するのは勿体無い。
「感情の抑圧に関する調査によれば、感情は、無視されたり脇へ押しやられたりしたら、ますます強くなるそうです」
『悲しみの力 「悲しみ」と「切なる思い」が私たちを健全な人間にする』 スーザン・ケイン
悲しみを味わおう。痛みを抱えて生きよう。
そして、悲しみの経験から「思いやり」を育んでいこう。
人間の、困っている人や貧しい人たちに対する『悲しみ』や『思いやり』といった脂質ほどすばらしいものはありません。
『悲しみの力 「悲しみ」と「切なる思い」が私たちを健全な人間にする』 スーザン・ケイン
私たちは、誰もが傷つく。その単純な事実を知ってるから「人を傷つける」ようなことはしない。人の心を大切にして、思いやりをもって生きよう。
より弱い自分に近づいたから、人の弱さに寄り添える。
この本は、人を優しくする本だと思う。
悲しみから大切なものを見つけたい。
このブログは、まだコンセプト未設定で書きたいことをツラツラ書いてます。が、運用的には完全にNG。やっぱ運用の軸は欲しいと常々思ってました。
「ネガティブな感情の中で、『創造力』を駆り立てるのは、主に『悲しみ』である」
『悲しみの力 「悲しみ」と「切なる思い」が私たちを健全な人間にする』 スーザン・ケイン
悲しみは創造力の入り口らしい。自分の今までの悲しみからこのブログのテーマが決まるんじゃないかなぁとすごい期待してて、絶賛悲しみを掘り出し中。
- 人に裏切られた経験
- 借金地獄
- シカトされた中学時代
まぁほんと、借金時代のダメージはでかい。けど元をたどると親との関係の中で自己犠牲を育んできたのも大きい。
私のメンタルは弱弱です。
だからこそ、メンタル弱弱で苦しんでいる人には特にも気を配るし、みんなが幸せに生きられたらなぁと毎日思う。人を無神経に傷つき、嘘を吐ける人たちじゃなくて、正直で、正直だから損をして傷ついている人たちの味方でありたい。
なんとなくだけど、そういう弱者への味方になるようなブログにしたいと考えています。けどもう少し悩みたい。。。
読むだけで魂が透き通るような本。読みながら悲しみを愛おしく抱きしめてください。
この本は、人生のステージによって味わいが変わると思う。
- 若くて青春時代の劣等感をひきづっている人
- 結婚できずに惨めさと孤独を感じている人
- 親が死んで、死別の悲しみを抱いている人
年代によって、悲しみも変わってくし、その人の経験や感情の知識によって受け取れる内容も変わってくると思う。
深く深く意味を拾える人もいれば、悲しみのことをなんとなくしか理解できない人もいるはず。
私も著者の言葉のすべてを捉えられなかった。この本は崇高すぎて、若い私には早かったかもしれない。それでも5年分、もしかすると10年分くらいは悲しみの置き方、受け入れ方がうまくなったんだと思う。
この本は、他にない特別な力を秘めています。まるで長い長いトンネルで、その先に全く違う世界が待っているような。そういう感覚。
あなたの価値観を揺るがすことになるのは間違いありません。
ぜひぜひお手に取ってみてください。
気になる方はタップして『悲しみの力 「悲しみ」と「切なる思い」が私たちを健全な人間にする』 をチェック。