『サピエンス全史』を遅ればせながら読み終えました。700Pずっと知的好奇心を刺激される超名著でした。
宗教・資本主義・戦争…ニュースの裏側にあるサピエンスの本質をまるっと知れて超面白かったです。
人類が誕生してからの破壊と創造の歴史がギュッと学べました。
- 類人猿とサピエンスの決定的な違い(虚構の力)
- 狩猟採集民の生活と環境破壊
- 農業革命の悲劇
- 神話がもたらす社会
- 社会に浸透する真実っぽい嘘の広がり
- グローバル化する人類
- 世界をひとつにした貨幣
- 宗教が作り出す秩序
- 科学がもたらした新しい信念と人類の躍進
- 未来を信頼する資本主義社会の仕組み
- 奴隷と商売、権利と自由
- 現代にもたらされた平和は続くのか?
- 遺伝子工学は人類を神にするのか?
- 科学がもたらす未来の考え方
上下巻でこれほどまでに深く広く学べる本は初めてでした。
この本を読んで私は「人類がこの世界に君臨するまでの悪烈な破壊の数々」をはじめて知った気がします。
平和な時代に、平和な国に生まれて人類の残虐性に気づきませんでした。
認知革命、農業革命、産業革命、科学革命。
人類の進化の裏側に、破壊の歴史がコインの裏表のように重なり合っていました。
今回は、『サピエンス全史』を読んで知った驚きを書いていきたいと思います。
絶滅をもたらす殺戮のホモ・サピエンス
認知革命によって、武器を作り集団で狩るするようになった我々人類は、無邪気に動物を狩りまくり。
特にもオーストラリア大陸では数千年で大型動物は絶命。
体重が五十キログラム以上あるオーストラリア大陸の動物種二十四種のうち、二十三種が絶滅したのだ。
『サピエンス全史』 ユヴァル・ノア・ハラリ
数万年かけて作られた生態系が人類の繁栄のために破壊されました。
人類は人類のために、自然を破壊し、創造する。
振り返ると今住んでいるアパートも、新宿も、渋谷も、田舎町でさえ、自然の原型ってほとんど残ってないもんなぁ。
殺虫剤でゴキブリを殺し、ネズミを駆除し、農薬で葉に虫がつかないようにして…。
人類の傍若無人っぷりに
「このままでいいのか?」
「自然と人類はどう向き合っていくべきなのか?」
と考えさせられましたね…。
虚構による文明と社会の統一
私たち人類はどうやって何百、何千の人数で協力できるようになったのか?
それこそが「虚構の力」だと本書では伝えています。
- お金を出せば、欲しいモノが買える
→みんなお金を出してモノを買う - お酒は20歳になってからでないと飲めない。
→お酒を買うときにどのお店も年齢確認をする - 私たちは日本人だ
→ワールドカップで日本代表をみんなで応援する。
私たちは、同一の「法律」という虚構を信じることで社会というネットワークを作りお互いに協力をしている珍しい種なんです。
法律だけじゃなく、宗教や経済、学校のルール、SNSの攻略法など形ない概念は全て虚構。
「南無阿弥陀仏」と唱えれば極楽浄土にいけるなんて、いかにもな虚構です。
そしてこの虚構が人類を結びつけ、今は資本主義経済という巨大な虚構によって人々は協力しているわけです。
宗教から科学革命へ。進化し続ける世界の生きる私たち。
人類が登場するまで、世界の歴史は何万年単位で変化していくようです。しかし、人類の進化は早い。
7万年前 認知革命
1万2千年前 農業革命
500年前 科学革命
200年前 産業革命
革命が早まってる。
認知革命、農業革命では、おじいちゃんの時代と同じ暮らしをするのが当たり前。
同じ場所で、狩りをしたり、耕したり。
しかし、科学革命は人間の進化のスピードを圧倒的に早まりました。
ゲームがわかりやすいでしょう。
1983年…ファミリーコンピュータ
1990年…スーパーファミコン
1996年…NINTENDO64
2001年…ゲームキューブ
2006年…Wii
2012年…Wii U
2017年…Switch
ここまでたった35年!進化のレベルが尋常じゃないのが分かります。
昔のマリオめちゃくちゃ弱そうw
さて、そのくらい進化が止まらない時代がやってきています。
果たして人類はこの進化によって自然を修復できないほどの破壊するのか?
それとも進化によって自然を蘇らせることができるのか?
神になりつつある人類。ゲノム解析による種の復活!?
このサピエンス全史は2014年段階の最新の科学について触れていました。紹介しましょう。
- ネアンデルタール人の復活。
- マンモスの復活。
- 人類のサイボーグ化
ネアンデルタール人復活!?
ちょっと訳わかんないですよね笑。
ネアンデルタール人のゲノム解析によって、それを復元したDNAを卵子に移植し、人間の子宮に着床させることが視野に入ってきたんだとか。
マンモスも同じで、ゾウの子宮に着床させるようです。
フツーにめっちゃすごい。ちなみに、「私のお腹にネアンデルタール人を着床させてもいいわよ」って女性も数名いるっぽい。
もし種の復活ができるなら、もう絶滅なんて怖くないですね。ニホンオオカミとか、絶滅した種をどんどん復活させられるんですから。
脳の信号を読み取り、自由に動かせるバイオニックアームもすでに実装済みだそうです。
スパイダーマンの敵役みたいな世界も近いってことですね。
『サピエンス全史』は2014年に出版されているので2024年の今、もっと科学は発達しているはずです。
「知ること」を愛する人のための本。
サピエンス全史は「知ること」を愛する人のための本だと思います。
冒頭で伝えた通り、ずっと知的好奇心を刺激されまくりで「世界を理解したい」と常日頃考えている人にはよだれが出るほど面白い一冊。
読みながら人類を遠くから観察できるような不思議な日常がやってくるはずです。
ぜひぜひ、「知るの大好き!」って方は『サピエンス全史』をお手に取ってみてください。