『SAME AS EVER 人の「行動原理」が未来を決める』を読みました〜。
著書は『サイコロジー・オブ・マネー』と同じモーガン・ハウセルさん。
ユニークな切り口と豊富な知識で最後まで「ほへぇー。おもしろ…。」と好奇心をよく刺激してくれました。
この本は、「未来の予測はできないけど、人間の行動原理は変わらない」という事実をついた上で「人間の行動原理を理解した方が、未来予測より人生の役に立つよー」と主張しています。
「変化」は、驚きと興奮をもたらし、注目を集める。しかし、「決して変わることのない」人間の行動パターンこそ、歴史の最も偉大な教訓なのだ。
『SAME AS EVER 人の「行動原理」が未来を決める』モーガン・ハウセル
本書では「変わることのない人間の行動原理」を23のセクションに分けて紹介してくれています。
誰が読んでも面白いんですけど、こんな人におすすめ↓
- 達観して世界を見る目を養いたい
- 世間の成功法則に騙されたくない
- 好奇心を満たす本を探してる
今回は、本性で紹介されている23の「人間の行動原理」から個人的に響いた箇所を紹介していきます。
「読みたかったんだけど、どんな内容か気になる!」て人はぜひ参考にしてください。
『SAME AS EVER』からの教訓①【急激な成長・拡大よりも忍耐強く価値を磨け】
たいていのものには身の丈に合った規模とスピードがあり、それを超えて無理をすると逆効果になる。
『SAME AS EVER 人の「行動原理」が未来を決める』モーガン・ハウセル
「早く成果を出したい。もっと頑張るべきじゃないのか?」と焦って今のスピード感が不安で仕方ありませんでした。
20代の若人があれよあれよと名乗りをあげて、成功しているその足元で「自分何やってるんだろうなぁ」って妙な自己卑下しちゃう時ってあるんですよね。
本書では、企業や自然界の多様な事例を引きあいに出しながら、急成長に伴う危険や痛みをいちばん納得しやすい形で提示してくれました。メンタル的にもかなり救われる人は多いのではないでしょうか。
このトピックで重要なのは、恋愛、キャリアから投資まで、素晴らしい価値があるもののほとんどは、忍耐と希少性という二つから得られるということだ。価値あるものにまで育てるための忍耐と、その忍耐の結果、作られた希少性だ。
『SAME AS EVER 人の「行動原理」が未来を決める』モーガン・ハウセル
要約すると「価値とは、コツコツ粘り強くがんばって価値を磨いた結果」という至極ありふれた内容ですが、やっぱりコツコツやるしかないんだよね。がんばろ〜。と腹を括るにはいい教材でした。
『SAME AS EVER』からの教訓②【本当にその人に憧れて大丈夫?】
このトピックで最も重要なのは、誰を尊敬すべきか、特に、誰のようになりたいか、誰の真似をしたいか、きちんと見きわめられるようになることだと思う。
『SAME AS EVER 人の「行動原理」が未来を決める』モーガン・ハウセル
20代のときは「斎藤一人さんみたいに!」「心屋仁之助さんみたいに!」「千田琢也さんみたいに!」「DaiGoみたいに!」とその時ハマった人に憧れて真似できない真似をして過ごしていました。
振り返って「まぁムリよなぁ」と若かった自分が微笑ましいですが笑。
遺伝子、才能、経験、環境、ぜんぶ違う。その人みたいになれるわけもありません。
憧れの人は、憧れの人。
尊敬する人は、尊敬する人。
「自分とは違う」とどこか線を引いて、その上で吸収できる部分を吸収して自分をよりアップデートしてくのがちょうどいいと納得。その人の教えが10個合ったら、1個でも吸収できたら十分。本を全部読んでまるごとその人を真似するなんてムリムリ。
世間でいう「すごい人」と自分を重ねず、必要な知恵を自分にあう形で吸収していくことが、どうやら満足感ある人生に繋がっていくようです。
『SAME AS EVER』からの教訓③【苦しい経験が意思決定を変える。永遠に。】
結構ショックなんですけど、強いストレスが与え続けられると思考方法が延々に変わるようです。さまざまな心理学の実験から引用して、納得しやすい形で説明してくれてました。
貧困による不安、身体的な脅威などストレスの要因はさまざまですが、やっぱり度を越したストレスって生涯苦しいんですねー。
「新しい経験によって引き延ばされた心は、決して元の大きさに戻ることはない」
世界恐慌を経験した世代が、その後、お金に対して依然と同じような味方をできなかったのはそのためだ。彼らは貯蓄を増やし、借金を減らし、リスクを警戒するようになっていた──死ぬまでずっと。
『SAME AS EVER 人の「行動原理」が未来を決める』モーガン・ハウセル
死ぬまでずっと…!!
- 「なんでそんなに悲観的なの?」
- 「極端に考えすぎじゃない?」
- 「あの人ネガティブすぎ」
なんて思っちゃう時に「もしかしてネガティブな経験により育まれたのかも?」と大きな視野で捉えられるのは、人間としての成長を感じますねー。
書きながら『マネーセンス』という本にも、「お金のネガティブな経験が無意識に貧困をもたらす」と主張されてるのを思い出しました。
「人を恨むな、事を恨め」
その人が悪いんじゃなくて、その人が苦しい経験しただけ。って考えるとどういった人にも大目に見て対応できるんじゃないでしょうか。
『SAME AS EVER』は「世界は思ってたんと全然違う」と気づける一冊
色々アウトプットさせてもらいました。
もっともっと学びになったことがたくさん合ったんですが、だいぶ割愛されちゃってます笑。
- 「人生は過酷で楽しくない」
- 「物事は案外シンプル」
- 「世界は脆い」
- 「歴史は偶然の重なり」
- 「平穏と動乱は変わりばんこ」
みたいな受け入れにくいような話も盛りだくさん。
科学的な話も多いので「スタンフォード式」「ハーバード教授が書いた」的な本が好きな人はかなりハマるかと。
「ありふれた自己啓発本に飽きたんだよなぁ」って人はぜひ読んでみてください。