【知能は人を幸せにするのか?】名作『アルジャーノンに花束を』の感想・レビュー

『アルジャーノンに花束を』読みました。

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これは読まなきゃ損すぎる…。
めっちゃ期待して読み始めましたが、期待を遥かに超える面白さでした。

あらゆるメディアで名作と評され、Amazonでは4000以上の評価で星4.5以上。

1959年に刊行され60年以上もの経ってるのに、全く古くない。
今も変わらず、「面白い」と絶賛されている数少ない名作です。世界的ベストセラーというのも納得納得。

痛みも、悲しみも、切なさも、喜びも、愛おしさも、全部が詰まってた。何に惹きつけられているか分からない。でも、この小説を読まずにはいられない。

冗談じゃなく、帰宅時に歩きながら続きを読んでました。

もう、大満足な読書体験。この本に出会えて心からよかったと思います。
マジで必読。読書歴15年。今まで1000冊は読んできたけど、トップ10に入るくらい夢中に読みました。

今回は『アルジャーノンに花束を』の感想を伝えていきます。
前半はネタバレなし感想、後半はネタバレあり感想と書き分けました。

読もうか迷っている人も、読み終わって他の人の感想が知りたい人もぜひ最後まで読んでいってください。

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目次

『アルジャーノンに花束を』のあらすじ

まずはAmazon掲載のあらすじをどうぞ。

32歳で幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイは、ある日、ネズミのアルジャーノンと同じ画期的な脳外科手術を受ければ頭がよくなると告げられる。手術を受けたチャーリイは、超天才に変貌していくが……人生のさまざまな問題と喜怒哀楽を繊細に描き、全世界が涙した現代の聖書。

『アルジャーノンに花束を』Amazonより引用

このストーリーは、32歳なのに幼児ほどの知能しかないチャーリィが天才になれる手術を受ける話です。

動物実験では、ねずみのアルジャーノンで知能の飛躍的な向上に成功。
天才ねずみのようにチャーリーも超天才になっていくが…。

32歳にしてはじめて知能を獲得したチャーリーは、一体何を考え、どう思うのか。
なぜタイトルが「アルジャーノンに花束を」なのか。

読みたくなるストーリー設計で、私も読む前からワクワクでした。

『アルジャーノンに花束を』ネタバレなし感想①低脳→天才の過程が面白い

この小説では、チャーリーの経過報告を通じて展開していきます。
最初の1ページはこんな感じ↓

けいかほおこく1──3月3日

ストラウスはかせわばくが考えたことや思いだしたことやこれからぼくのまわりでおこたことわぜんぶかいておきなさいといった。

『アルジャーノンに花束を』より引用

ひらがな多い。読みにくい。
しょうがいよ。

だって幼児並みの知能しかないんだもの。

この低脳な状態からページを捲るたびに、誤字が直り、漢字が増え、知性が爆発し始める。

あらすじの通り、チャーリィは超天才に変わっていきます。

「これ、最後どうなっちゃうの?これ以上どう天才を表現するんだろう…。」チャーリィがどう進化していくのか興味津々で読み続けました。

「この後どうなっちゃうんだろう。」と予想もつかない本はサイコーですね。

『アルジャーノンに花束を』ネタバレなし感想②「幸せってなんだろう」って考えちゃう。

正直、ネタバレになるからあまり書けません。Amazonのあらすじが短いのも納得…。
それでも書けるだけ書いてみようと思います。

これを読めば「果たして知性が人を幸せにするのだろうか」と全ての人が考えさせられるでしょう。

  • アホが幸せか。
  • 天才が幸せか。
  • 幸せはどのような瞬間に訪れるのか。

ストーリーを通じて、喜怒哀楽を通じて、学んだのはアホも天才も求めるものは同じ。私も引き続き「それを大切にしよう」とそっと心に誓いました。

『アルジャーノンに花束を』ネタバレなし感想③親子関係をふり返りたくなる

この本を読んで、両親を思い、子供を思う人は多いのではないでしょうか。
私も幼かった自分と両親との関係を思い出しました。

じんわりあったかい思い出。
痛く悲しい思い出。

どっちもありましたが、あったかい思い出の方が多くて本当によかった。
父よ、母よ、ありがとう。

ふり返ると同時に、「親の責任」「子供の責任」両方についても考えました。

子供をどう育てるべきか。子供は親とどう向き合うべきか。幸い、両親はまだまだ元気そうだから、残された時間はこうしてあげたい。ああしてあげたい。

まだ結婚もしてませんが、子供が生まれたらこんな育て方をしてあげよう。こういう思いはさせたくない。

「自分はどんな親になりたいか」「どんな子供でありたいか」を考えるちょうどいい機会を与えてくれます。

もちろんそう思わせるストーリーが面白いんですけどそれが言えない笑。
ぜひご自身で読んで確かめてください。

『アルジャーノンに花束を』ネタバレなし感想④宣伝でいうほど泣けない笑。

泣ける本だったかなぁ。

涙腺がゆるむような要素は薄め。
どちらかというと、考えさせられる系の話でした。親子のこと、友達のこと、自分のこと。主人公のチャーリィは私たち分までたくさん考えてくれました。

泣けるかは別として。この本を通じて自分の悲しい過去をこじ開けた人は、ずしりと重たい読書体験になると思います。実際、Amazonの口コミを見ると、苦々しいコメントもたくさんありました。

誰もがチャーリィを幼い自分と重ね、両親を思い出す。
でも、その思い出が恐怖と不安だったら相当な痛いだろうと思います…。

だからこそ、この本は名著で読む価値がある。
チャーリィが乗り越えた壁をあなたもぜひ知ってほしい。

【ネタバレなし】まとめ|読んでください。大大大大大満足な時間になることを約束します。

だいぶ強気にまとめました笑。
本気でそのくらいのオススメです。

  • 夢中になれる一冊を探している人
  • 名作を読んでみたい人
  • とにかく次の本に悩んでいる人

読んでください。文庫なのでお手軽です。
この小説に没頭して「面白かった!読んでよかった!」と充実した時間を過ごせることを約束します。

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個人的には『GOOD LIFE』『SAME AS EVER 人の「行動原理」が未来を決める』を先に読んでおくと、理解度が上がっていいです。(理由はネタバレあり感想に)

【未読の人は読まないで】ネタバレありの感想を書きます。

未読の人は読まないでください。
この本は、展開を知らない方が楽しめます。ぜひ本を読んでからまたきてください。

ネタバレ感想①

「高い知性を持ってしても、心の傷を癒すことはできない。」とよく思い知りました。

『SAME AS EVER 人の「行動原理」が未来を決める』という本では「心の傷は癒やされない」という事実が科学的に説明されていたのを思い出します。

チャーリィも同じ。
高い知性は傷を無かったことにはできない。

ずーっと傷に触れて苦しんでましたね。母と対峙して傷がなくなるわけではありませんが、それでも傷に意味が生まれるのは大きいなぁと感心。

こういうメッセージ性のある本は大好きです。

本に書かれた知識がストーリーを通じて、肉付けされていくのが読書の醍醐味ですなぁ。

ネタバレ感想②

ずっとチャーリィが可哀想。

チャーリィの親ひどすぎません?

普通の脳に生まれても、お母さんがあんな感じだとしんどそう…。私の母はそんなことありませんでしたが、読む人によってはトラウマ呼び起こしそう。

友達もひどいし…。酷いことにも気づけない。怖いことがあっても忘れて、ニコニコしてる。好かれてるって思ってる。

考える力が自分を苦しめる。
賢くなれば友達になれると思ったのに嫌われる。

読んでて、その辺りはしんどかったですね…。

ネタバレ感想③

「知性は人を幸せにしない」

『GOOD LIFE』に書いてあった通り、幸せな人生に必要なのは良い人間関係。

そういう意味では、チャーリィはほとんど孤独でした。

痴呆のときにも人間扱いされず、天才になっても人間扱いされず。
共感できるのはねずみのアルジャーノン。

誰と会話をしても本当の意味で理解してもらえず、孤独の連続で苦しい描写ばかりでした。
ここまで孤独な主人公は少ないなじゃないかなぁ。

「人に理解されること」がここまで幸せに必要なんだと、ストーリーを通じて語りかけてくれる本でした。
「やっぱり友達とか、家族とかこれから大切にしよう」と思い直しちゃうよね。

ネタバレ④

まさかタイトルに、最後のセリフを持ってくるとは思いませんでした。

彼の最後の遺言。あの一言のあと、彼は完全に意識の暗闇に消えて、チャーリィに戻ったんだと思います。もう彼は話せない。書けない。

タイトルがもの悲しい…。
「僕はもう書けない。さようなら」と言ってるような気もします。

私は、チャーリィに花束を添えてあげたい。

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