最近、会社の先輩が教えてくれた『項羽と劉邦』を読んでました。作家は言わずと知れた司馬遼太郎先生。
時を忘れてのめり込んだわ!
上中下巻ずっと楽しめるのは、本読みとしてありがたい。
これは名作…!徳と才能、運と不運、政略、悪政、さまざまな要素があらゆる登場人物に宿って、ストーリーが展開していくのを音楽を奏でるような巧みな表現で楽しめました。
司馬遼太郎先生の表現力ハンパねぇっす。
思えば今まで司馬遼太郎先生の本は、たくさん読んできました。
- 新興太閤記
- 世に棲む日々
- 竜馬がゆく
- 坂の上の雲
- 国盗り物語
- 馬上少年過ぐ
- 燃えよ剣
- 峠
- 宮本武蔵
- 菜の花の沖
- 夏草の賦
- 功名が辻
ざっと12作品読んでましたが、今回のはトップ5に入る面白さです!
ちなみに面白いランキングはこちら↓
1位|竜馬がゆく
2位|新興太閤記
3位|項羽と劉邦
4位|国取り物語
5位|功名が辻
って感じですかね…!『竜馬がゆく』は好きすぎて4回読んでます。全八巻セットなのに笑
今回読んだ『項羽と劉邦』もまぁ面白い!!!!!!!
歴史が教えてくれる教訓、処世術を学びながら「どうなんの?」ってハラハラ次のページを読み進められる稀有な一冊でした。
特にもこの本の面白いポイントは3つ
中国史知らなくても全然楽しめる
司馬遼太郎先生の表現力が巧みすぎて惚れる
自分の才能の活かし方がわかる
さぁ解説していきましょ〜。
中国史知らなくても全然楽しめる
自慢じゃないですが、中国のことなんて全く分からないです。
しかも紀元前って笑
むか〜し『封神演義』で培ったくらいです。
うわぁ懐かしい笑
話を戻して、『項羽と劉邦』は教科書で習った、秦の始皇帝の時代の終わりから、漢帝国が築かれる直前までのストーリーです。
超強くて、自分の勇のみを信じて突き進む項羽
超弱いから、人に頼って柔軟にちどり歩きする劉邦
言い換えると、ワンマン部長の項羽と部下の話を聞く劉邦が、社長の座を争うみたいな感じですね笑
全く別の才能を持つ項羽と劉邦が戦い、天下を取らんと頑張るわけです。この時代の中国の事情とか常識とかは、司馬遼太郎先生が、言葉巧みに、非常にやわらかくエレガントに説明してくれるので、「わかんねぇよ!もうやめた!!!」みたいなことにはなりません。
むしろ、読み終えるとちょっと中国史語れるようになってると思います。(ちょっとだけね)
司馬遼太郎先生の表現力が巧みすぎて惚れる
久しぶりに司馬遼太郎先生の本を読みましたが、レベル違いすぎる。
たとえばこの表現↓
娘は、まだ熟れきらぬ季(すもも)の実のようにひきしまった頬をもっている。そのくせ口許(くちもと)が咲くように半ばひらき、幼女のあどけなさをのこしていた。
『項羽と劉邦 上』
ちょっとエロくない!?笑
なんか幼くて、あどけないんだけど、少し大人びている少女の姿が思い浮かびません?こういう表現の連続でこの小説は成り立ってました。
たくさん登場人物が出るんですけど、その人の思想や特徴。または戦略の説明、戦場の様子。
それらを虫、山、海、動物なんかで例えてくれるから、すらすら〜と脱落することなく読めました。この表現力のおかげで、のめり込めたと言えるでしょう。
自分の才能の活かし方がわかる
この物語には、た〜くさんの才能をもった人たちが出てきます。
- 勇敢で、敵軍に切り込む者
- 口がうまく、敵国と交渉する者
- 話を聞くのがうまい者
- 人を率いて戦うのがうまい者
- 不利な状態でも稀略を思いつく者
- 礼儀だけがとりえの者
- 勉強熱心で知識が溢れる者
もっと今風に言えば、コンサル系、社長系、営業系、癒し系みたいな笑
そういう多種多様な才能がどこで発揮されるのかを学べるのが非常に有意義。私は学者系・コンサル系の人なんで軍師の生き方に大きく共感。
「規模が小さくても社長の側近とかなれたらもっと人生開けるなぁ」とかぼんやり思いました。
そうじゃなくても「今の組織でこの軍師的な才能ってどう活かしたらいいんかなぁ」「今後どう立ち振る舞っていけばこの才能は花開くだろう」みたいなことを考えるいい教材になりました。
才能の活かす方法を考えるにはうってつけ。あなたもぜひぜひストーリーを通じて自分の才能を見出してください。
歴史に残る壮大なストーリーを味わいたいなら『項羽と劉邦』がオススメ。
歴史から学べることは多いです。
力はあっても嫌われた人たちがどんどん潰されていく様子。
約束と信頼、自分に信念がある者が功績を上げていく様子。
そして面白かったのは、年老いてから項羽や劉邦に見出されて60歳になってから歴史を変えるような大仕事をした人がいることでした。
老人になるまで門番とかやってたのに、急に大将とかになっちゃうんだよ?
面白くない?
「人生どこで運が開けるか分からんなぁ」
「いつか運が開けるかもしれないし頑張ろうかな」
なんて私は未来にある種の期待が見えたようでした。
天が、私の人生に何を用意しているかは全く分からない。
もしかしたらこの先の人生で大きな役割をくれるかもしれないのに、「今がつまんなーい」って悲観してたら運も開かないよな。
この小説は、自分の人生を別な視点で考えるきっかけを与えてくれました。
ぜひぜひあなたもこの小説を手にとって、自分の人生の可能性を考えてみて下さいな。
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