辻村美月さんの『鍵のない夢を見る』読了しました。な〜んか怖かったぁ。辻村さんといえば、『かがみの孤城』で本屋大賞をとった作家さん。
今回も「心温まる系かな?」と期待してたら残念。けっこうハードな感じでした笑。短編集の割に、ひとつひとつしっかり恐怖させられました…。いやー人間って怖いね。
では背表紙にあるあらすじを紹介しましょう。
どうして私にはこんな男しか寄ってこないのだろう?放火現場で再開したのは合コンで知り合った冴えない男。彼は私と再会するために火を?(「石蕗南地区の方か」)
夢ばかり追う恋人に心をすり減らす女性教師を待つ破滅(「芹葉大学の夢と殺人」)
他、地方の街でささやかな夢を見る女たちの暗転を描き絶賛を浴びた直木賞受賞作。
『鍵のない夢を見る』の背表紙 辻村美月
ばっちり暗転って書いてましたね^^;
・20〜30代前半の男性
・サイコパスな刺激を求めている人
もし、「はいはい!私です!」って該当される方はぜひ続きを読んでくださいな。
20〜30代前半の男たちは読みなはれ。モテるぞ?
めちゃくちゃ女性心理を学ぶ勉強になりました。(モテるってのは言いすぎたかもしれませんが笑)
5つの短編集が収録されているんですが、すべて主人公は女性。さまざまなシチュエーションで、女性ならではの葛藤を読み取れて、「こういうところで悩むんだ!」と新鮮な学びでした。
- 男に期待してるもの、期待していないもの
- 男に求める言葉、萎える言葉
- 女性からみる男の視線
そういう女性ならではの心理描写が繊細に描かれていて「あぁこういうのはNGなんだなぁ」と頷きながら読みました。
もちろん元の小説のストーリーが超面白くてスリリングに楽しめるんですけど、男性は女性を学ぶつもりで読むと面白いので、ぜひトライしてみてください。
サイコパスの登場で、ヒヤッとスリルを楽しめるぞ?
サイコパスって怖いですねー。「自分が世界」みたいな感じで、周りの人たちを悪い意味で振り回しちゃうんですわな。
今回の主人公たちもネタバレになるから言えないんですが、まぁ振り回されるし、振り回すし…。その振り回し方がえげつなく怖い!
「え?どうなんの?どう終わるの!?」とスイスイページを捲るように読み終わりました。いやー、こういうハラハラさせられる小説は読むスピード上がっちゃいますねー。
「最近、のほほんした小説ばかり。たまにはスリルを味わいたいわ🎵」
って人は絶対読んでください。呼吸を忘れるくらい最後までハラハラ楽しめるはずです。
面白い小説は世界をどこまでも広げる。大好き。
小説は、時間を忘れるほど面白い。電車を何度乗り過ごしたことか…笑。
文字を読むたび、知らない世界を知って、まったく違う人の考え方・感じ方を味わえて、自分の中にある種の深みができてきた感じがします。
- 読みながら過去の人生がフラッシュバックして、いい教訓が得られる。
- 人の心を知って、読むたびに優しい自分になれる。
- 知らない文化や、新しい知識をストーリーを通じて仕入れられる。
それだけじゃなくて、喜怒哀楽、感情の全てを味わえるのが幸せ。
ハラハラもドキドキも、悲しみも苦しみも、安堵の気持ちも不思議と小説で味わえる。生涯きっと私は本を読み続けるでしょう。
今回の『鍵のない夢を見る』はハラハラ系、スリル系の本でした。ぜひぜひ感情を味わいたい人は、お読みくださいな。
PS:どうしてタイトルが『鍵のない夢を見る』なのか、読んでもピンとこなかったです笑。そういう部分もぜひ考えながら読んでみてください。