”イヤミスの女王”湊かなえさんの『豆の上で眠る』を読みました。
イヤな気持ちになるミステリーのこと
次の本を手にするまで沈んだ気持ちがズーンと続くのが湊かなえさんの作品です。
ただ、個人的には『豆の上で眠る』はそこまで暗い気持ちにならずに読めるライトな方だと思います。
個人的な評価はこんな感じ。
総合評価 | |
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読みやすさ | |
勉強になる | |
ストーリー性 | |
メッセージ性 |
前半の謎を、過去編を交えながら少しずつ回収していく展開で、気になって読み始めたら止まらない最高のミステリー体験をさせてくれました。
今回は、湊かなえさんの『豆の上で眠る』の感想をネタバレなしでしていきましょう。
あらすじがもうミステリー感満載。
あらすじが既に「え、なにそれ?」って内容になってます。
本の背表紙にあるあらすじをそのまま引用します。
小学校一年生の時、結衣子の二歳の姉・万佑子が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に探す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。──お姉ちゃん、あなたは本物なの?たどり着いた真実に足元から頽れる衝撃の姉妹ミステリー。
『豆の上に眠る』 背表紙より引用
ざっくり一言であらすじを要約するとこんな感じ↓
小学1年生のときに姉が失踪。
2年後に姉が帰ってきて、家族はみんな喜んでる。
でも、どう見ても姉じゃない。
あなたは本当にお姉ちゃんなの…?
帰ってきた姉は姉なのか?
現在の大学生の視点と、小学校の記憶を交互に読みながら、謎を解いていくミステリー小説となっております。
ネタバレなしの感想|読み始めたら止まらない
読みはじめは、徐々に謎を増やしていくスタイルで展開していくため、頭の中は虫食い状態。
「…どうなってるんだ?」
と答えを知りたくてウズウズしながら、ページを捲っていきました。(そのため2日間で読み終わりました笑。)
答えが気になって、どんどんページが捲れるミリテリー小説。
次に感情がかき乱されたのが、娘が失踪した親の描写です。
パニック・恐怖・希望・絶望。
あらゆるネガティブな感情・思考が紙の上に見事に表現されていました。
読めば誰でも「もし自分の子供が失踪したら…?」と思わずにはいられないでしょう。
失踪した親の描写が超リアルで、感情がかき乱される
そして読後感ですが、「どことない疎外感」について考えさせられました…。
本書のタイトルにもなっている『豆の上で眠る』は童話からとっており、すごいざっくり言えば
豆の上に布団をしいて寝ても、やっぱり違和感に気づいちゃうよね〜
ってオチの童話。妹が感じている違和感のメタファーなんですね。
そのため、「どことない違和感」を読み終わった時に考えさせられる作品となっております。
どことない違和感を考えさせられる。
ネタバレになるのでお伝えできませんが、テーマとしては大きなものを扱っていると思います。
夢中になれる本をお探しの方におすすめです。
この本はミステリーだけあって、夢中になれる一作になっております。
読みながら謎を解く感覚を味わいたい。
夢中になって読める疾走感のある作品を楽しみたい。
読んだ後も余韻を残すような一冊を読みたい。
つまりザ・ミステリーを楽しみたい!って方にはおすすめですので、ぜひぜひ『豆の上で眠る』をお手に取ってみてくださいな。